こんにちは.マイロネフです.

皆様もご高承の通り,所謂“あおり運転”の罰則行為が自転車
にも適用されることになりましたが,今朝(2020年 6月28日
)のテレビ朝日「サンデーLIVE!!」の7時半前の数分間,
この放送局の十八番(?)の一方的な自転車叩きの特集が
放映されました.

NHKでも足掛け2日に亘って放映された,BMXタイプの
自転車に乗った男の挑発行為などは問題外の犯罪ですし,
実際に不意に車道の真中へ出た自転車が自動車同士の重大事故を
引き起こした実例も過去には確かにありました.しかしあらゆる
自転車乗りは全て必ず何がしかの違反行為をする社会の敵である
かのような認識の仕方.こういうプロパガンダめいた放送で,
世の自転車乗りに対する差別的な偏見が助長されている一面も
否定はできないと思います.

今回の放送の中で気になったのは,自転車がいきなり車道の
中央寄りへ走路変更する現場の映像.何が理由か,仮設の
ガードレールが自転車の通るべき車道の外側路肩部分を塞ぐ
形で並べられていたこと.問題の根源は自転車が安全かつ
スムースに流れない道路の構造にもある訳です.自転車専用
レーンの余地が無い訳がないのは映像からも明らかでした.

勿論,自転車乗りの悪さを棚に上げるつもりはありません.また
違反行為を平気でやる自転車乗りを野放しで良いとも言いません.

しかしこの放送局は以前から,交通体系の中における自転車の
機能はどうあるべきか,説得力のある提言は何一つだに打ち出して
いません.彼ら自身に自転車全般に関する正しい専門的知識や経験が
あるとは思えないですし,世界の自転車に詳しい専門家を番組に招く
こともしていません.あたかも楽しい自転車は全て暴走する凶器と
言わんばかりです.限られた字数や放送時間の枠内で“要領よく”
伝えるつもりで,ある意味で公平性を欠いた表現になりやすいのかも
しれません.

自転車で何か重大事故があると,いつもコメント欄で決まって
厳罰化ダー!! 免許制導入ダー!!という主張が結構な支持を集めます.
これは投稿者自身が実際に遭遇した例もあるのでしょうが,日本の
新聞社や放送局の偏向した報道の影響を受けている可能性も否定は
できないと思います.

しかし実際に法に基づく厳格な免許制の実現が可能とは考えにくい
ですし,それを実施したところで,自転車乗りの交通道徳が劇的に
良くなる確証があるとも考えられません.

大半の日本人は,いろいろな意味で自転車の扱いがヘタクソです.
世界の自転車政策は,大方の日本人が思っている以上に進んでいる
ことを認識して欲しいものです.

それではまた.

【追記】

かれこれ1か月近く前ですが,都内では自転車に対する
警視庁への苦情が前年比で約50%増加している
ということです.

https://www.yomiuri.co.jp/national/20200605-OYT1T50158

なるほどと認めざるを得ない面もありますね.
特に,例のUber Eatsに問題が多いようです.

あれはやはり商品の性質上,一刻一秒を争うために無謀な
走り方がされやすいのでしょうね.少なくとも法令に従った
安全とスピードの両立をもっと研究してもらいたいものです.