マイロネフは行く

自転車とサイクリングに鉄道や郷土の自然(主に植物),地理,歴史などを織り交ぜ,ジュニア世代にサイクリング人気の復興を念じつつ展開してゆきます.

2015年03月

皆様こんばんは.
a383493242改めマイロネフでございます.

さて,今回はまたYouTubeの引用になりますが,
前々回の記事でご紹介した梅野記念絵画館が所蔵しているのと
同じブランド・CREMONA ORCHESTRALのオーケストリオンを
ここにご紹介させて頂きたいと存じます.


梅野記念絵画館の所蔵品は1910(明治43)年製ですが,
こちらは1917(大正6)年製で,2005(平成17)年にアメリカで
全面修復が行われたというもののようです.

内部の楽器はピアノ,2列のオルガンパイプ,大太鼓(バスドラム),
小太鼓(スネア),19音の鉄琴,シンバル,カスタネット,トライアングル,それにタンブリンから構成されていて,演奏される曲共々梅野記念絵画館の
ものとかなり異なっておりますが,キャビネットの外観と下部の
メカニズムはほぼ同じです.

先ずは実際のオーケストリオンのサウンドを
上記の動画から味わってみては如何かと存じます.







それでは前段の続きです.
編集中,突然画面が消失してしまいましたので
中塩田駅の画像からどうぞ.
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一時期はかなり傷んでいましたが,
終点の別所温泉駅と同様の建築様式で
今風に言えば,コーポレイトアイデンティティ(C・I)
を感じさせてくれます.
残念ながら,今回は電車の発着時刻を外してしまいました.
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駅舎の玄関の破風には,旧上田丸子電鉄の
ロゴマークが残されています.

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待合室の内部.勿論現在は駅員無配置ですが
清潔に整美が行き届いています.
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中塩田駅の電車の発着時刻と運賃表.
これだけの本数があれば,ローカル私鉄としては
まずまずというところでしょうか.

この後は向かい風をついて家路をひた走ります.

車内放送オルゴール・ハイケンスのセレナーデ)

近年恒例にしていた千曲市内のセツブンソウ群生地は
今年度は見送りました.
しかし今回は,梅野記念絵画館のオーケストリオン等
東信州の近現代史料に幾つも接する貴重な経験を伴う
有意義な日帰りサイクリングとなりました.

旧上田丸子電鉄の小型ELについては
下記のURLもどうぞ.


     全走行距離;120,32km

     正味走行Time;7時間07分39秒

     平均時速;16.9km/h

     最高瞬間時速;37.0km/h

     積算走行キロ;9153.2km
                 (2024年 1月22日You Tube動画追加)

では前段の続きです.

丸子を出まして,二ツ木峠(丸子方からは高低差は僅か)を越えて
塩田方面へ向かいます.

その途中で見落とせない呼び物がこちら.
長野計器株式会社工場正門前です.
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かつて別所線の主役だった“丸窓電車”
モハ5250形3輌の内の1輌
5253号車です.
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来歴の解説はこちら.
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この車輌(系列)には同社製のパーツも採用されたとかで,
同社製品のショールームも兼ねています.
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この日は一般公開時間は既に“アウト”でした.

代わりに床下部分を細かく見ましょう.
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んん,これは・・・・・・・
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この電車の警笛です.
約90年前の電車には広く使われたようです.
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音を出す部分.エアの細長い噴出孔が分かります.
(やや不鮮明ですがご了承下さい)

実はこの電車の展示保存開始当初,サイクリング
(当時の愛車はCANNONDALE・R400改)で立ち寄った際,
外部のエアタンクを使用した警笛の操作体験
(ペダルを踏んで鳴らす方式ですが,バルブは比較的簡素な構造)を,
私もさせて頂いた事があります.

その時に鳴った音は,少しかすれた「プォーッ」という音で
普通の電車の警笛とは違うと思ったものですが,
このような笛だったとは,当時は全く気付きませんでした.

車内放送オルゴール・ハイケンスのセレナーデ)

お疲れさまでした.中塩田に到着です.
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新型の保線車輌が待機しています.

では,もう少し続きがありますが
今晩はこの辺で.

それでは前段の続きです.
せっかくですから,オーケストリオンの次は
同絵画館所蔵・梅野コレクションの一部を
¥600円でまったり鑑賞.
3月29日まで「梅野記念絵画館の美展」を開催中です.

今回は
青木繁「海の幸」(これは原寸複製.オリジナルは石橋美術館所蔵)
山本鼎(やまもと・かなえ)「白菜と筍」
白鳥映雪「浄花」「春の詩」「あざみ」
吉田卓(よしだ・たかし)「まどろむ裸婦」

等が印象に残りました.

詳細はこちらのURLをどうぞ.


さて,今回最大の目的を果たしましたので
後は,帰宅があまり夜遅くならない程度に
適当に行路を選択します.
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この地域も降水量は少ない方なので溜池が多いです.

丸子方面へ向かって小さな峠へヒルクライム.
御牧ケ原方面の展望です.
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空気が濁って展望はイマイチでした.

峠を越え,九十九折の坂を下る途中
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年季の入った石垣にノキシノブが自生しています.
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ノキシノブの葉の裏面.
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葉の付け根部分です.

車内放送オルゴール・アルプスの牧場)

間もなく丸子です.
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見つけて嬉しい,見事な紅梅の大木です.
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旧丸子町の運動公園に架かる歩行者専用の橋梁「りんどう橋」.
千曲川に架かっていた旧上田丸子電鉄丸子線の
ボーストリング・トラスが再活用され
2007年8月竣工ということです.
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ここにも見事な紅梅を見つけました.

では続きはまた後ほど.


それでは前段のオーケストリオンについて
もう少し補足を申し上げたいと存じます.
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「オーケストリオン 修理」でWEB検索,経過を大まかにまとめますと,
テレビ東京系「開運!なんでも鑑定団」に登場,放映されたのが
2010年2月2日のこと.

その後,大分県の80代の女性から東御市へ寄付された修理費で
清里の「ホール・オブ・ホールズ」にて修復が行われ,
2011年5月15日,完成披露が行われたということです.

それにしても日本の明治時代末期に,これ程精緻な技術で
複数の楽器の自動演奏を実現させた当時のアメリカの工業力には
改めて感服です.

このオーケストリオンに組み込まれている楽器類は
YouTubeに登場する他のオーケストリオンと比べても
古さが際立っているように思います.
管理はまさに腫れ物に触る扱い.

ここで希望をあえて申し上げるとすれば,

先ずは
東御市の重要文化財に
指定されることを願いたいです.

次いで
願わくば絵画館・ふれあい館の側において
このオーケストリオン演奏を録画録音し,
ヘッドフォンの適度な音量で
このサウンドをいつでも聴けるシステムに
してもらえるとなお有難いですね.

さらに希望を申すならば,このオーケストリオンを
軽井沢大賀ホールででも聴いてみたいと思うのは
私だけでしょうか.


現在のところ,私のサイクリング日帰り圏内に
存在するオーケストリオンとしては,
これが唯一のものなのです.
梅野記念絵画館・ふれあい館の職員各位に
この場を借りて
改めて厚く御礼を申し上げたいと存じます.



















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